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腎臓病の食事療法

2014年11月29日

毎日きちんとエネルギーを摂取する一方で、塩分とたんぱく質の量を制限するということが腎臓病の食事制限の基本となります。
Ⅱ 腎不全の食事療法とは 腎不全の食事療法では、たんぱく質や塩分のとりすぎは腎臓に負担をかけてし まいます。これらを制限する事で弱っている腎臓を保護していきます。 ●食事療法の意義● ・腎機能低下や腎不全の進行を抑える ・体内の食塩、水分、カリウム、リンなどの量や濃度のバランスを保つ ・老廃物による尿毒素が体内に蓄積するのを抑える ●食事療法のポイント●                       ・たんぱく質を控える   ・塩分を控える ・エネルギーは適正量を十分にとる ・カリウムの過剰摂取に気をつける ・状態によっては水分を制限する 引用元:医療法人社団三杏会 仁医会病院

 たんぱく質の制限

わたしたちの体のすべての細胞を作っているの主成分がたんぱく質です。代謝という化学反応によって細胞組織の栄養素やエネルギーに変換されるのがたんぱく質です。そのときにできるたんぱく質の残りかすが窒素化合物で、腎臓から排出されるのです。腎不全が進行している人などがたんぱく質を含んだ食品などを過剰に食べると、

老廃物が蓄積して尿毒症を引き起こす

ことになります。 そのためにも腎不全の方は進行の程度に応じてたんぱく制限が必要になります。 記事『腎臓のはたらき』はコチラ 「たんぱく質の多く含まれる食品例」
(肉類)
(魚類)
牛レバー
かつお
豚レバー
まぐろ
鶏肉ささみ
うなぎ
鶏むね肉、等
ぶり いわし すじこ しらすぼし、等
※エネルギーはしっかり摂りましょう。 いくらたんぱく質の残りかすが腎臓に悪いからといって、たんぱく質を控えすぎてしまうと一緒に含んでいる糖質や脂質まで摂らないことになるので、エネルギーになる栄養まで不足してしまい血液や筋肉などの全身の細胞組織を維持できなくなります。そのために腎臓病のたんぱく質制限では、

たんぱく質を含んだ食品と、たんぱく質を含まず糖質と脂質が多く含まれるものに分けて

献立を考えましょう。そうすることによってたんぱく質が過剰にならず、なおかつエネルギー源も十分に確保できるのです。

 塩分の制限

細胞外液に存在し循環血液量を整えるはたらきをするのが塩分です。過剰に摂取すると血圧を上昇させ、排泄する腎臓の負担を大きくし、動脈硬化を促進させます。腎臓からの排泄が低下している人などは塩分の摂取を控える必要があるのです。日本人は米食中心ですので、どうしても塩分の量が多くなりがちです。取り立てて治療を要すことのない腎臓が正常な人でも

塩分を一日10g未満に心掛ける

ことをお勧めします。塩分を控えるには香辛料や柑橘類などを使い、上手に味覚を楽しみましょう。 記事『減塩食のつくり方』はコチラ 記事『技あり!塩ぬきのススメ』はコチラ

 カリウムの制限

カリウムは腎臓から排出されるので、腎臓機能が低下することにより血液中のカリウムの量が増え

高カリウム血症となって不整脈

を起こします。その症状が進むと心室細動という不整脈を発して心臓を停止させてしまうことがあります。そのため腎不全などの原因でカリウムの排泄障害がある場合には、カリウム摂取の制限が必要になってきます。カリウムは水に溶けやすいという特性があるので、食品を小さく切り刻んで水にさらしたり、ゆでることによってカリウムの含有量を減らすことができます。 「カリウムが多く含まれる食品例」

・ジュース・いも類・バナナ・メロン・アボカド ・煮豆類・乾物類・海藻類・ポテトチップス ・枝豆・チョコレート・ナッツ類 ・インスタントコーヒー・抹茶・玉露類

 リンの制限

カルシウムと結合して歯や骨を形成し、細胞を成長させたり、遺伝子の核酸を構成する大切なはたらきをするのがリンです。リンは腎臓から排出されるので

腎機能が低下すると血中にふえて 骨代謝障害や副甲状腺機能亢進を

まねいてしまいます。ただしリンが低下しすぎるのも問題ですので血液のリンのチェックをしながら調節することが必要です。 「リンが多く含まれる食品例」

・わかさぎ・ししゃも・どじょう・いわし丸干し ・するめ、等の魚介類 ・チーズ・ヨーグルト・牛乳、等の乳製品 ・肉・卵、等

腎臓病の食事療法