高血圧のしくみ②
2015年05月21日
国内における高血圧患者は4,000万人(注)にも上ると推定され、脳心血管障害や、今や国民病でもある慢性腎臓病の発症と進展に深く関与しています。塩分と高血圧は密接に関連しており、塩分の摂り過ぎが高血圧の原因となることは古くから知られているところです。食塩摂取量の多いわが国にとって、塩分と高血圧の関係を理解することは大変重要です。 引用元:東京大学付属医学部病院 Copyright(c)2010 The University of Tokyo Hospital. All Rights Reserved.絶えず体内を調整しようとする自律神経や分泌されるホルモン、血液量や血管の狭さ、体脂肪の多さ、血管を硬くする動脈硬化の度合い、姿勢などによって血液をすみずみまで細やかに運ぼうと変動して高血圧が起こります。 記事『高血圧とはどのような状態?』はコチラ
高血圧になりやすい要因
*両親の一方または両親が高血圧
高血圧は遺伝が大きく関係する。
両親や兄弟に高血圧の人あるいは脳卒中の人がいる場合は濃厚。
*生活習慣が乱れている人
生活習慣に問題があり、肥満、喫煙、飲酒など
不規則な生活や糖尿病や脂質異常の病気があると
血管は傷ついている。
*ストレスいっぱいの人
常にストレスによって交感神経が緊張状態にあるため
血管が緩むことなく血圧が高い状態にある。記事『高血圧のしくみ』はコチラ
高血圧になりやすい人
中年期の高血圧というと多くは男性です。なぜ中年女性に少ないかというと、女性には卵胞から女性ホルモン・エストロゲンが分泌されているためです。子宮をつくり乳腺を発達させ月経を促すなど女性に特徴的な機能や生理を司るエストロゲンは動脈が硬くなるのを防ぐアンチエイジング作用を持っている
からです。 エストロゲンは閉経期をむかえると分泌量が少なくなるので若いころ低血圧だった女性も50歳ころから血圧が上がり始めます。更年期までは女性は男性よりも血圧が低く、心筋梗塞にもなりにくい傾向にあります。しかし、生理がなくなるとエストロゲンが不足しだして更年期障害を過ぎたころから動脈が硬くなる傾向にあります。妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群
妊娠中毒症に伴うとされていた、むくみは妊婦さんの30〜80%にみられること、赤ちゃんにも危険がないことから2005年に病名が変更されました。中毒物質はどこにもみつからず病気の肝心な部分は高血圧にあるということで
妊娠20週以降分娩後12週までの高血圧(140/90mmHg以上)の場合を妊娠高血圧、または高血圧に尿タンパクを伴う場合を妊娠高血圧腎症
といいます。